富士登山日記

    9回目 2007年1月21日(日)〜7月29日(日)
    7・8日目:2007年7月28日(土)29日(日) 登山道:富士吉田・金鳥居〜吉田口登山道〜山頂・剣ヶ峰 下山道:河口湖口下山道 御来光ポイント:吉田口8合5勺手前

■第7ステージ 富士吉田・金鳥居(802m)〜山頂・剣ヶ峰(3776m)
  20.68km 2007年7月28日(土)29日(日) 

★最後のステージ20.68km

いよいよ富士山道の旅も、最後のステージの吉田口登山道を迎えた。深夜0:40、りょうわ君と合流、中央道にのって3:00に河口湖駅前駐車場に到着。車内で仮眠をとる。8:00ごろまで寝るつもりだったが、7:00過ぎに暑さで起床。

準備を整えて8:16発の電車に乗り、富士吉田駅に到着して金鳥居に移動。少し富士山が霞んでいるものの、雲ひとつない快晴で、金鳥居の前で記念写真を撮り、8:33登山開始(802m・912hpa・28.9℃)。

10分後、開店したばかりのスーパーで食料を購入。外で朝食をとっていると店のおばちゃんがバナナを持ってきてくれたので、バックに入れて途中の栄養源にした。8:55再出発、御師の家が並ぶ道を登っていき、国道138号にぶつかったところで左折して、9:16、北口本宮冨士浅間神社の鳥居をくぐる。


霞んだ富士山をバックに金鳥居で記念撮影

大きな杉や檜の森とと石塔が並ぶ参道を通り、大鳥居をくぐって拝堂でこれからの登山安全祈願をした。本殿横の登山門に移動して、9:40本格的に吉田口登山道をスタート(1.83km地点・865m・34.4℃)。


北口本宮冨士浅間神社の鳥居


北口本宮冨士浅間神社・拝殿


吉田口登山道起点・登山門



★長い舗装路区間

9:46、日本武尊もここから遥拝したといわれる大塚山の前を通過(2.14km地点・880m)、舗装路と遊歩道の分岐のところに来た。富士講の道筋を辿るということで、舗装路のほうを選択した。9:55、富士パインズパークに到着(2.58km地点・900m)、中に入って自販機の所で休憩。正面には気持ちよさそうな草原が広がり、寝転がったらとても気持ちよさそうだなぁと思った。

10:17、道路に戻って出発。東富士五湖道路を越えると、休憩してる2人組みの登山者を発見。村山口登山道と違って、登山者がいるとなんとなく安心するなぁとしみじみ思う。やっぱり適度に登山者がいないと、とても寂しくなるというのが去年感じた。まあ、6合目から上のように人が多すぎるってのも問題あるのだが・・・。11:20、中ノ茶屋に到着(5.74km地点・1100m)、ここで昼食の盛そばを頼んだ。出された冷水がとても美味しく、乾いた喉を潤し、盛りそばに舌鼓を打つ。


大塚山


富士パインズパークの草原


そばと水の美味しい中ノ茶屋

11:50、腹を満たして出発、今度は少し荒れた舗装路を登っていき、12:38、石茶屋跡に到着(8.04km地点・1290m)。12:57、出発して徐々に傾斜がきつくなってくる舗装路を登っていくと、13:27、ようやく舗装路が終わり、車の停まっている馬返しに着く(9.21km地点・1430m・852hpa・26.6℃)。

数少ないトイレを済まし、馬返しを進んでいくと大文司屋の小屋の前に人だかりがあった(9.31km地点・1440m)。何かと思ったらボランティアで休憩所を設置して、無料で水や漬物を提供していた。ペットボトルにも水を入れてくれるということなので、ありがたく頂く。ここで焼印を発見、どうやら今日から販売されたもので、馬返しの焼印としては40年ぶりだそうだ。


大石茶屋跡


舗装路の終わり・馬返し


馬返し・大文司屋



★歴史の跡が残る登山道

13:50、大文司屋を出発。石造鳥居をくぐり、これまでとは雰囲気の違う道を進んでいく。14:03、1合目・鈴原社到着(9.78km地点・1520m)。5分の休憩をはさみ、つづいて鳥居跡を過ぎて、15:00に2合目・冨士御室浅間神社に到着(10.86km地点・1715m)。自分もりょうわ君も睡眠不足と疲労からここで20分ほど仮眠を取ることにした。


馬返しの鳥居、左右に神使の猿が合掌


1合目・鈴原社


2合目・冨士御室浅間神社

頭も体もリフレッシュし、15:20御室浅間神社を出発。更に登山道は傾斜がきつくなり、これまでの直線路と違ってつづら折の道になってきた。15:30、細尾野林道に出て、もう一つの仮設トイレを使用。15:50、3合目・三軒茶屋に到着(11.49km地点・1840m)。ここには先に休憩していた同じようなペースで登ってきたの2人PTの他に、年配の5人PTがちょうど出発しようとしていた。やはり村山口登山道と比べると登山者が多く、廃墟にせよ建物が現存してるという事が大きな違いを感じた。

16:00、出発、相変わらずのきつい傾斜のつづら折を登って行き、16:20、4合目・大黒小屋跡に到着(12.16km地点・1970m)。日が沈む前に森林地帯を抜けたかったので、この場所では数分だけ休憩してすぐに出発。16:35、4合5勺・御座石浅間神社に到着(12.51km地点・2040m)。


3合目・三軒茶屋


4合目・大黒小屋跡


4合5勺・御座石浅間神社

16:45出発して5合目山小屋跡群を次々に通過、17:15滝沢林道にでてもう一息(13.24km地点・2180m)、17:30やっと5合目・佐藤小屋に到着(13.58km地点・2220m)。新しくなった焼印を押してもらい、次の6合目・星観荘に17:37到着(13.70km地点・2235m・772hpa・19.8℃)、ここで夕食を頼むことにした。食事を持ってきたお姉さんにりょうわ君が一言「お姉さん美人だねぇ」と。確かにきれいだけど、臆面もなくすらっと言えるりょうわ君に感心(笑)。


5合目は廃屋や小屋跡が続く


5合目・雲切不動神社


滝沢林道に出る石段


富士守稲荷からまた山道に


5合目・佐藤小屋


6合目・星観荘

18:05星観荘を出発、沈んでいく夕日を見ながら、18:196合目・経ヶ岳に到着(13.99km地点・2290m)。少しコースを外れ、日蓮が100日修行したと言われる姥ヶ懐に寄り道をした。コースを戻し、経ヶ岳の上から夕日を撮ろうとしたらあることに気が付く。


6合目・経ヶ岳で落陽を見つめる日蓮像

それは日蓮像が落陽を真直ぐ見つめていることだ。計算されてその向きに立てられたのか、偶然なのかは判らないが、この限られた時間にここを通って初めて知ることができる発見だった。これまで3回通って今回初めて知ることができたのだから、早くてもダメ遅くてもダメとこういう偶然の発見は本当に面白いと思う。

少し薄暗くなりながらも、明るいうちに森を抜け、18:486合目・安全指導センターに到着(14.48km地点・2390m・756hpa・14.6℃)。東の空にはほぼ満月の月が出ていて、それをバックに記念撮影をした。あたりを見渡すと、これまでの登山道ではほとんど見かけなかった登山客が大勢いた。去年と同じくなんだかホッとするひと時だったが、この後の登山渋滞のことを考えるとあまり喜ぶことは出来なかった。


6合目に到着


6合目・安全指導センターにて



★夜間の大渋滞

18:55安全指導センターを出発、すっかり日の落ちた砂礫のつづら折を登っていき、20:537合目・花小屋に到着(15.71km地点・2690m)。これまでまばらだった登山客も鎌岩に入ってから少しずつ増えて行き、21:25富士一館を過ぎた辺りから渋滞で立ち止まるようになる。21:40鳥居荘あたりからは7合目のツアー客も動き出したようで、なかなか思うようには登っていけない(16.29km地点・2865m)。22:08すぐ上の東洋館に行くにも20分かかるが、その先はツアー客も休憩して空いていたようなので、そのまま登っていった(16.40km地点・2900m)。


7合目・花小屋に着く頃には真っ暗に


ツアー客も出てきて混雑しはじめる


8合目・太子館ではすごい人だかり

22:428合目・太子館に到着(16.74km地点・3030m)。ちょうどここのツアー客も動き出し、登山道は凄い人だかりになって、ほとんど動かないようだ。広場の隅っこで長く休憩を取ることにして、しばらく人の流れを見ていたがほとんど動く気配もなく、出発するツアーはブルドーザー道のほうから登っていった。疲れと睡眠不足から、少し仮眠をとることにした。23:20目を覚まし、登山道を見ると人も少なくなっていたので出発することにした。

23:35蓬莱館に到着(16.85km地点・3075m)、ようやく渋滞ポイントの鎌岩過ぎて、砂礫の登山道を登る。日付が変わって0:54目的地の一つ元祖室に到着(17.48km地点・3250m)、今年の干支の亥の焼印を押してもらう。

またこの先から登山渋滞が始まり、1:41本8合目・富士山ホテルに到着するが(17.86km地点・3350m・675hpa・8.5℃)、この富士山ホテルのエリアを抜けるのに10分ほどかかってしまった。この先の登山道を見てみると、大渋滞していることと山頂のほうが雲に覆われてきたので、山頂でのご来光は諦める。胸突江戸屋で3000円を払って、3時間仮眠して体力の回復をすることにした。

4:50起きてみると、東の空は雲に覆われていて、ご来光を見ることは出来なかった。5:20、準備を整えて本8合目を後にした。


富士山名物・光の列



★総距離140kmの旅のゴール

5:39、登っている途中でようやく雲の上から太陽が出てきた。けれど、位置的にはずいぶんと高い位置に太陽があり、これをご来光と呼んでいいものなのかは少し疑問。5:458合5勺・御来光館に到着、トイレを済まして小休止(18.28km地点・3450m)。6:359合目・迎薬師神社に到着、気温も上がってきたので広場に移動して少し仮眠をとることに(18.73km地点・3570m)。

7:20出発、いよいよ最後の難所胸突き八丁に突入。それなりに渋滞は起きていたが、ペース的にはちょうどいい感じだった。だが、この途中で高山病でうずくまる女性がいて、とても辛そうで自分の足では動くことが出来ない様だった。一緒にいた外人男性は何を考えていたのか、いきなりこの女性を背負い、狭く人がたくさん並んでいる急な岩場を、他人のことなどお構いなしに追い抜いて登って行く。

高山病になったら高度を下げるのが鉄則なのに逆に高度を上げ、その上足場の悪いこの岩場で、人を背負って追い抜くなど大変危険な行為である。その後は外人男性2人で肩に担いで登っていったが、女性はまったく自分の足で歩くことが出来ず、引きずるように無理やり登らされていた。山頂手前で見たその姿は、本当に死にそうな顔をしてぐったりとして、あまりにもかわいそうな姿だった。


8合5勺手前で御来光(?)


9合目・迎久須志神社


吉田口山頂に到着


第7ステージの行程

8:00ちょうど、山頂・久須志神社に到着(19.17km地点・3710m・638hpa・7.7℃)。記念写真を撮り、山小屋前はすごい人だかりだったので大内院のほうに移動した。朝日岳に寄り、時計回りにお鉢廻りを開始。8:42荒巻に差し掛かったところで、りょうわ君の眠気が限界に達したようで、風を受けない所で休憩を取ることにした(19.83km地点・3715m)。9:15、顔に水滴が落ちて目が覚め、すぐに出発することにした。

雨はパラパラと降っていた程度だったので、合羽を着ずに進んで行く。9:32、富士山本宮浅間大社・奥宮に到着(20.25km地点・3720m)。刻印を押してもらっていると、雨脚が強くなり合羽を着込んで出発。馬の背を登っているところで雨はあがり、10:06、ついにゴール地点の山頂・剣ヶ峰に到達して(20.68km地点・3776m)、りょうわ君と握手!


ついにゴール!!

第7ステージの所要時間:25時間35分
第7ステージの歩行距離:20.68km
第7ステージの移動速度:0.80km/h
第7ステージの累積標高(+):3049m

第7ステージの累積標高(-):88m

日本橋からの所要時間:62時間22分
日本橋からの歩行距離:139.96km
日本橋からの移動速度:2.24km/h
日本橋からの累積標高(+):5665m

日本橋からの累積標高(-):1906m


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平18総使、第602号)




第8ステージ 山頂・剣ヶ峰(3776m)〜河口湖新5合目(2305m)
  5.33km 2007年7月29日(日) 

★ころころ変わる天候

剣ヶ峰に到達すると、すぐに雲がどんどん流れて少し青空が顔を覗かせ、後もうしばらくいれば完全に晴れるかもしれないと思ったが、10:13、剣ヶ峰を出発して大沢崩れのほうに向かった。途中青空が広がり、もう雨も降らないだろうなと思っていた矢先、大沢崩れの淵を歩いているとまた雲に覆われ、小雨が降り始めた。小内院のそばを過ぎた辺りから急に雨脚が強くなり、アラレ混じりの大雨となった。

10:45、久須志神社に戻ってきて、山口屋別館で濡れたシャツを取り替え、昼食の牛丼を頼むことにした。食事も済み、しばらく休憩しているとかなり小雨になってきたので、11:20、山頂を出発して下山を始めた。視界は最悪、次のつづら折どころか10m先も見にくい状況で、目標も見えないまま下山していく。疲労からいつもの膝痛が起こり、サポーターしていてもなかなか痛みは治まらない。12:25、8合目・江戸屋の分岐点に到達。相変わらずこの先の燕沢も視界が悪く、延々と長く精神的に堪えるつづら折を下っていく。


大沢崩れの方に向かっていく

14:11、公衆トイレの前を通過。、やっとつづら折の終わりも近づき、少し元気を取り戻す。14:24、獅子岩の前を通過。この辺りに須走口の方へ向かうお中道があると聞いたのだが、それらしい道筋は発見できず。落石シェルターの前を通っていると、なにやら騒いでいるので見てみると女性が倒れて、仲間の人たちが介抱していた。

14:47、6合目・穴小屋に戻ってきた。ぐったりと休憩していると次々ツアー客が登ってきた。この天候でこれから登る人たちは大変だなぁと思いながら見送る。

14:53出発、安全指導センターの前を通り河口湖口の方へ向かう。途中、子供にこの近くに公衆電話はありませんかと聞かれたので、河口湖口まで無いので、自分の携帯を貸した。どうも8合目で下山道を間違えたっぽく、親に電話していた。その結果、そのまま河口湖口の方に下山するということで話がつき、携帯を返してもらう。泉ヶ滝を過ぎてお中道を歩いていると、正面から救急車がやってきた。おそらく先ほど倒れていた女性の所に向かったのだろう。1時間以上が経過してやっと来るようでは、山では怪我・病気はしたくないと思う。

15:35、ようやく河口湖5合目に到着。これで全ての行程が終わり、りょうわ君とお疲れ様の握手。河口湖駅行きのチケットを買い、15:40発のバスに乗る。が、座ることが出来ず1本遅らせればよかったと後悔。立ったままウトウトとしながら、16:30河口湖駅に到着。やっと重い荷物から解放されて、車に乗り温泉に向かう。

今回は道の駅なるさわの近くにある富士眺望の湯『ゆらり』にした。1200円の割には設備が充実していてのんびり出来る温泉だ。温泉に入った後、少し休憩所で仮眠して帰路に付く。しかし、中央道は大月〜八王子が20kmの渋滞で、抜けるのに2時間以上かかると予想されていて、どうしようと悩んだ結果、大月ICで高速を降りて甲州街道を走ることを選択した。その読みはばっちり当たり、ほとんど停まることなく快適に走ることが出来た。今まで歩いてきた道を思い返し、再び中央道に乗って自宅へ帰った。


視界不良の中の下山


獅子岩通過、あともう少し


全ての行程終了、お疲れ様りょうわ君!


第8ステージの行程

第8ステージの所要時間:5時間20分
第8ステージの歩行距離:8.43km
第8ステージの移動速度:1.58km/h
第8ステージの累積標高(+):102m

第8ステージの累積標高(-):1562m

日本橋からの所要時間:67時間42分
日本橋からの歩行距離:148.39km
日本橋からの移動速度:2.19km/h
日本橋からの累積標高(+):5767m

日本橋からの累積標高(-):3468m


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平18総使、第602号)



★9回目の富士登山を終えて

今回、日本橋から歩いて本当に貴重な体験をすることが出来た。自分の足で旅をする楽しさに目覚め、いずれは大月から先の甲州道中の続きを歩いて、諏訪まで歩いてみたいと思う。本来ならこの吉田口の行程は7月14・15日に歩く予定だったが、台風のため延期になり今回に至った。さすがに次週に予定していた御殿場口の富士登山駅伝観戦登山は、あまりのしんどさに来年以降に持ち越すことにした。案の定、次の日筋肉痛で起きることすらままならない状況になってしまった。けど、今年はもう1回ほど富士山に登ってきたいと思う。



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