富士登山日記

    11回目@ 2008年5月23日(金)
    登山道:須走口登山道<ふじあざみライン→旧登山道>  下山道:小富士→和製グランドキャニオン→ふじあざみライン

★自転車ロードレース観戦ついでに富士登山

今回の登山は、この日開催される自転車ロードレースの観戦ついでに、麓の東口本宮冨士浅間神社から5合目の小御嶽神社まで登ってみた。

今回の自転車レースは、国内最大級のステージレース(何日か走って総合を競うレース)であるツアー・オブ・ジャパンの 第5ステージ・富士山ステージで、ひとりひとり走ってタイムを競う個人タイムトライアル。ふじあざみラインは、自転車レースの本場ヨーロッパの超級カテゴリーに匹敵するほどの難コースで、標高差1100m・距離11.4km・平均勾配10%の激坂を登っていく。日本では、自転車ロードレースはまだマイナー の部類に入るが、本場ヨーロッパではサッカーか自転車かというぐらいの人気ぶりで、人気の山岳ステージでは観客の数が500万人に達することもある。(日本では1996年のジャパンカップで10万8000人の観客数を記録)


臨時駐車場から


熱気あふれるヨーロッパの山岳ステージ


ツールの山岳でアタックするパンターニ

この日の登山計画としては、浅間神社から馬返しまでふじあざみラインを通り、馬返しから旧登山道に入って小御嶽神社まで登り、そして7月の本番で続きの須走口を登る予定。下りは小富士・和製グランドキャニオンを通り、馬返しに置いた自転車でふじあざみラインをダウンヒルして下っていく計画を立てた。

5月22日深夜に自宅を出発、東名高速を走り、3:00前に浅間神社横の須走口登山道駐車場に到着。ここで仮眠を取り、ふじあざみラインが通行止めになる。7:00に起床して、少し北にある臨時駐車場に移動。朝食をとり、準備を終えて8:00に駐車場を出発。自転車に乗って須走口登山道駐車場に移動して、東口本宮冨士浅間神社に参拝、8:15自転車を押しながら登山開始(800m・23.4℃)。



★富士山ステージ

道路を横断して、車両通行止めをしているふじあざみラインに突入。トンネルをくぐり、その先にはスタート地点が架設されていた(0.58km・830m)。ここから松並木が始まり、気温も夏日直前だったので、できるだけ日陰を選んで登っていく。次第に傾斜もきつくなっていき、ダラダラ真っ直ぐ登ること1時間ちょっとで、ようやくつづら折りの入り口に到着(3.55km・1125m・24.2℃)。ここには旧登山道入口があり、先に歩いていた人は中に入って旧登山道を進んでいった。私は自転車を押していたこともあり、ふじあざみラインを進む。


ふじあざみラインに突入


富士山ステージ・スタート地点


旧登山道入口

旧登山道入口の先で、後ろから来た自転車に乗った人から『おはようございます』と挨拶されたので、振り向いて挨拶したら、その人は元プロロードレーサーの今中大介さんだった。今中さんといえば、1996年に戦後初めて自転車レースの最高峰ツール・ド・フランスを走った日本人で、試走しているようだったが、 すれ違いざま笑顔で挨拶してくれていたので、さすが世界に出た人は違うなぁと思った。

登っている途中にはかろうじて咲いているマメサクラや、ミツバチが蜜を集めているレンゲツツジ(?)があった。少し登っていくと、上から今中さんが下ってきた。どうやら中間計測地点まで行って戻ってきたらしく、すれ違いざまにまた笑顔で手を挙げて挨拶してくれた。


終わりかけのマメザクラ


ミツバチが吸い寄せられるレンゲツツジ


レース開始

予定では10:00にレーススタートするので、今いる地点には15〜20分ごろに最初の選手がやってきた。選手は次々とやってきて、激坂を登っていく。旧登山道の出口付近が前半の一番きついところで、この上には中間計測地点がある。10:55、この先少し登ったところに1合目・馬返し(6.47km・1360m・24.5℃)があり、ここから旧登山道に入っていった。


前半最大の難所


中間計測地点


1合目・馬返し



★踏み跡がわかりにくい旧登山道

先に言ってしまうと、馬返しから上の旧登山道はとにかく道がわかりにくかったと言うのが正直な感想。前半は溝の中を進んでいくので迷うことなく進んでいけるのだが、整備の手が入っていないので倒木などがあって歩きにくい。このことは事前に分かっていたので覚悟はできていたが。

11:28溝の中の道は終わり、開けた場所の中を進んでいく。踏み跡はしっかりしてるので迷わず進む。右手に和製グランドキャニオン、左手には自転車レースが時折見ることができた。11:45、沢を渡るところがあり、右側が崩落していたので気をつけて渡り、尾根の上を進む。


溝の中を進んでいく


時折見える自転車レース


和製グランドキャニオン

11:57、ふじあざみラインから来る幅広い道と交差する(1625m)。出たところから真っ直ぐ踏み跡が伸びているので直進したが、進むにつれて足元が柔らかくなり、周りにマーキングが全く見当たらなくなったことから、これはルートを間違えたことに気づく。この場所を基点に高くなっている尾根の上に登っ て、マーキングや踏み跡を探したりした。北(右側)の方に行くとマーキングを発見し、その下には溝の道が下の方から伸びていた。少し戻ってみた結果、どうやら先ほどの幅広い道に続いているようだ。

先ほどの地点まで戻り、先へと登っていくと、なにやら割れた湯飲みや陶器が散乱している広場があった。小屋の残骸は見当たらないが、昔はここに何かあったのか?この先に二股に分かれる分岐点があり、どっちに行こうか迷ったが、結果どちらに行っても同じところに出るようだった。その上にはここが登山道の証で ある『九十六丁目』という石の標識があった(1715m)。


幅広い道との交差点


割れた湯飲みや陶器が散乱していた


標識『九十六丁目』

12:42先に進んでいくと広場のようなところに出て、その先で大きな崩落跡があった(1750m)。対岸には何やら人工物見たいのがあったがはっきりとは分からず、この場所を渡るのは危険と判断、辺りを見渡した。すると南の斜面の上にマーキングを見つけ、登って行く。大きく時計回りに迂回して、先ほどの 崩落していた所の上の沢(1775m)を横断して尾根の上を進む。すると、おととし村山口登山道でも見た積雪観測計が立てられていた(1790m)。

もうそろそろ御室浅間神社が近いと思いながら登っていくと、またも分岐点があった。どちらに行くか迷ったが、左のほうを見ると建物の残骸が見えたので、13:16ここが御室浅間神社(1850m)と確信した。


積雪観測計(ピンクのマーキング)


御室浅間神社前の分岐点


御室浅間神社

さて、ここからどう進むべきかと辺りを見渡してもマーキングが見当たらず、とりあえず先ほどの分岐点に戻り、反対のほうへ行ってみた。次第に道は狭くなり、ついには斜面だけになってしまったので、少し引き返して山側(南側)に登ってみた。すると遠くのほうでマーキングを発見し、行ってみると溝の道があっ た。どこに繋がってるのかと下ってみると、御室浅間神社の建物の反対側に出た。よくよく考えてみれば、基本的に建物の前を通過して登っていくと考えれば気づくものの、建物の崩壊が広範囲に散らばってたせいで、そこまで気が回らなかった様だ。

またふじあざみラインが近づいたが、沿道からの声援は聞こえずレースが終わってしまったようだ。予定ではゴールの写真も取りたかったのだが、幾度か途中でルートを見失ったことで時間がかかり過ぎてしまい、予定時間を大幅に過ぎてしまった(馬返し到着予定時間も遅れたが)。

この先、雪の残る道を登っていくと、またマーキングが分からなくなった。とりあえず溝の中を登っていくと小富士遊歩道に出たので、あながち間違ってはいないようだ。遊歩道から標識通りに小御嶽神社に向かう道を通り、14:06本日のゴール地点・小御嶽神社(2000m・11.8℃)に到着。参拝後、5合目の菊屋で遅めの昼食をとる。ここで休憩していると、幻の滝から戻ってきた人がいたので聞いてみると、いまだに残雪が多く、水量も少ないということ。天気も悪くなってきたので、そのまま下山することにした。


レース終了・・・


小富士遊歩道から小御嶽神社へ


ゴールの小御嶽神社



★豪快にダウンヒル

14:40、荷物を背負い下山開始。帰りは小富士・グランドキャニオン経由で下っていく。小富士遊歩道に入る前で上から降りてきた人に会い、話を聞いてみると山頂から戻ってきたとのこと。かなり雪深く、6合目より上はかなり積もっているとのこと。小富士遊歩道はかなり残雪が残っていて、木はしごがある沢も 雪に埋もれてまっ平らになっていた。14:58小富士に到着、道を間違えないように右側に下り、林の中に入っていく。林を抜けて、白いペンキの通りに、ぐんぐんと砂走りの尾根を気持ちよく下っていった。


雪に埋もれた沢と木製はしご


小富士


砂走り終点

また林の中に入り、抜けるとそこは右側が急な斜面になっていた。崖から離れず近寄らずで下っていき、倒木のひどい沢を下りていくと、15:48二俣状の沢床に到着し、和製グランドキャニオンが大迫力で眺めることができた。右岸に渡り、16:10馬返しに戻ってきました。

ここから自転車に乗り、一気に駐車場までダウンヒルを始めた。17時まで車両通行止めということもあり、対向車も全く来ないので、気兼ねなく坂道を下っていく。時折何かが顔に当たって痛かったが、風がとても気持ちよく、今までの疲れも一気に吹っ飛んでいく感じだった。そして、16:26仮設駐車場に到着。


崖に注意!!


二俣状の沢床からのグランドキャニオン


あちこちに群生してるイノデ

菊屋のおばあちゃんの話では、昔はよく旧登山道を登って5合目まできていたそうで、当時の登山道のことを話してくれた。今の登山道は、きのこなどの山菜を取りに来る人たちの踏み跡で、旧登山道が分かりにくくなっているとも話していた。


11回目A





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