富士登山日記

    13回目 2009年7月11日(土)〜12日(日)
    登山道:船津口登山道→河口湖口登山道<夜間登山> 下山道:河口湖口下山道 御来光ポイント:河口湖口8合5勺

★船津口ルート調査登山

今回13回目となる富士登山は、船津口ルートの調査登山を行なった。船津口ルートは、文献やインターネット検索で調べても登山道に関する情報は非常に少なく、わかっているのは国土地理院の地図と富士吉田市歴史民俗博物館発行の『富士山周遊図』。そして、らん丸さんの精進口3合目から下山したという旧登山バスが走っていたルートだった。

『富士山周遊図』を見ると、船津口のルートは富士スバルラインの先から精進口4合目に向かう様になっていて、おそらくこれが古来からの登山道なのではと思った。しかし、国土地理院の地図にはルートが記載されているものの、現在も歩けるものなのか?藪に覆われているのではないか?などと思い、今回ルート調査に踏み切った。



■第1ステージ 河口湖畔・畳岩(837m)〜河口湖口5合目(2292m)
17.90km 2009年7月11日(土) 

★快適な朝

前日の23時30分りょうわ君と合流して、開通した首都高・山手トンネルを経由、中央道・河口湖ICに向かった。河口湖湖畔の船津浜駐車場に車を停めて、仮眠をとる。早朝5時に起床し、準備を整えて5時20分畳岩(837m・902hpa・19.1℃)から出発。

5時44分、途中にあるセブンイレブンで朝食と昼食を買って、6時00分出発。船津口の存在を知ることになった船津口登山道入口交差点(867m・1.65km)を横断して、、更に南下して行く。朝早いのに、思っていた以上に車の往来が多く、ゴルフ場があるからかと思ったが、過ぎてもまだけっこう走っていた。7時03分、船津胎内(1050m・5.96km)の先で旧道に入って行く。


河口湖畔・畳岩から登山開始


船津口登山道入口交差点


船津胎内の先で旧道に入っていく

7時28分、県営林道船津線・起点(1137m・7.21km・881hpa・18.6℃)に到着し、ここで20分ほど休憩して7時46分出発。1.7km程進み、船津線・起点(1268m・8.92km)につくと正面に車止めゲートがあり、8時15分ゲートの脇を通って荒れた山道に入る。8時45分、分岐のところに特別名勝の石碑社(1400m・10.35km・854hpa・19.1℃)があり、右のほうに進んでいった。


県営林道船津線・起点


船津線の終点、山道に入っていく


1合目?特別名勝の石碑の隣に謎の社

9時11分、林道ゲート(1495m・11.57km)の前を通過すると、登山道にはキャタピラの跡があり、最近整備の手が入ったのか?次第に車の音が大きくなり、9時28分富士スバルラインの高架橋(1555m・12.49km)に到着。そばには昔のバス停が倒れて放置されていた。220mほど歩き、9時33分精進口3合目に向かう登山バスルートと、精進口4合目に向かう古道ルート分岐点(1573m・12.71km・837hpa・18.2℃)に到着。


2合目の富士スバルラインとの高架橋


その手前にあるバス停の跡


精進口3合目と4合目に向かう分岐点



★船津口ルート調査開始

10分ほど休憩して、9時45分古道に突入。始めのうちは轍の跡があり、倒木にも切った跡があることから何らかの手は入っているようだ。途中で倒木があったので迂回してしばらく登っていくと、妙な苔のようなものが辺り一面に生えていた。


古道ルートを進んでいく


倒木を迂回


何の苔?

10時02分、突然やけに開けた広場(1573m・12.71km・837hpa・18.2℃)に出て、3つの分岐点になっていた。1本目は入ってすぐに西に向かう道、2本目は奥のほうに東に向かう道があり、高度計と磁石と地図で現在地をおおよそ予測して見ると、2本目の奥の道と判断して進んでみると、もう1本途中に南西に向かう小道っぽいのがあった。気にはなったが、とりあえず奥の道に入っていくことに。


3合目?広場の分岐点


2本目のルート、だんだん怪しく・・・

始めのうちはしっかりとした道だが、倒木を過ぎたあたりからだんだん怪しくなり、地面も柔らかくなって踏み跡がわからなくなる。方角的にもこれは違うと判断し、広場に引き返す。10時17分、3本目の小道に入ってみると、道の真ん中に小さな木があるものの、踏み跡はしっかりしていて先に進んで見た。

途中に分岐点はあるものの、国土地理院に書かれたルートどおりに道があり、方角を確かめながら進んでいくと、10時42分、人ひとり分の道幅になり、目の前に藪が立ちふさがっていた。藪を掻き分けながら踏み跡は見落とさない様に登っていき、2分後には無事抜け出した。この藪漕ぎから、引き戻すことも考慮に入れて、ビニールテープでマーキングしていく。


3本目の小道に突入


踏み跡を見落とさないように藪漕ぎ


引き返したときに迷わぬようにマーキング

11時29分、ゴツゴツした溶岩流(1873m・15.28km)を通過。しかし、少し先に進んだところで踏み跡もなくなり、完全に道を見失う。周辺を探索すること50分、まったくルートを見つけることができず、ここで調査を断念。帰宅後のGPSデータを照らし合わせて、どこで間違えたか考察することにした。

ここで、この後の行動をどうするかりょうわ君と相談。登山バスルートに戻って精進口3合目へ迂回するか、もしくは踏み跡のなくなった見通しのいい森林地帯を山頂に向かって真南に直登するか。迂回すると精進口4合目まで3時間ぐらいはかかること。標高150〜200mほど登れば、精進口ルートもしくは船津口ルートにでて、位置を把握できるのではないか?ということで、最悪引き返すことも考慮に入れて、マーキングしながら直登してみることにした。


ゴツゴツした溶岩流の道


山頂に向かって真南に直登してみる


無事、精進口ルートに到着

12時23分見通しのいい森林地帯に戻り、直登開始。2000m付近から藪漕ぎがあるものの、こまめに方位を確認しながら、13時00分精進口ルート(2105m・16.46km)に無事到着。どうやら4合目より上の位置に出ており、東にルートがずれていたことがわかった。13時56分、河口湖口5合目(2292m・17.90km・784hpa・18.2℃)に到着。

14時55分、河口湖行きのバスに乗り、河口湖駅に到着。歩いて船津浜駐車場に戻り、河口湖温泉寺で汗を流して、ビッグボーイで夕食。セブンイレブンで買出しした後、河口湖口5合目に戻る。出るときには駐車場に入るために並んでいた車もすっかりなくなり、楽に駐車する事ができた。下準備を整えて18時過ぎに仮眠。

船津口の所要時間:8時間36分
船津口の歩行距離:17.92km
船津口の移動速度:2.08km/h
船津口の累積標高(+):1556m

船津口の累積標高(-):99m



■第2ステージ 河口湖口5合目(2292m)〜山頂・久須志神社(3715m)
7.22km 2009年7月11日(土)〜12日(日) 

★相変わらずの大渋滞

21時に出発するはずが、寝過ごして21時15分に起きう。急いで準備をして、21時42分河口湖5合目(2292m・767hpa・14.5℃)を出発。登山客は少なく、快適に進んで行き、22時19分安全指導センターを通過。10分後、6合目・穴小屋(2435m・755hpa・12.8℃)前で5分ほど小休止して、九十九折に突入開始。

23時17分、7合目・花小屋(2690m・731hpa・12.8℃)に到着し、ここから続く山小屋で今年の焼印を次々と押していく。途中からツアー客がぞろぞろと出てきて、鎌岩は渋滞で立ち止まることが多くなる。日が変わって1時17分、8合目・蓬莱館(3075m・700hpa・9.2℃)を通過。岩場も終わり、道幅も広くなって歩きやすくなると思ったら、しばらくしたら子供達の団体に追いついた。団体は道幅いっぱいに広がり、あまりにのんびり登ってるものだからカンベンして欲しい。他にも登山客がいるのだから、迷惑をかけないようもう少し並んで、統率持って登ってほしいだ。

1時53分、目的の場所8合目・元祖室(3245m)に到着。今年の干支の焼印を押してもらい出発したが、すぐ先で渋滞発生。ぜんぜん進まず、下の富士山ホテル(3350m)に着いたのが2時25分、すぐ上の本8合目・トモエ館(3360m・671hpa・8.2℃)に着いたのは20分後の2時45分。気温低下と強風によって冷えた体を温めるのに、トモエ館で肉うどんを注文して暖をとる。

3時25分出発し、渋滞でゆっくり進みながら3時46分、8合5勺・御来光館(3450m)に到着。このまま進みたかったのだが、ここに来るまで間に睡魔に襲われ、りょうわ君の体力もきつくなってきたとのことなので、ここで仮眠をとることにした。4時30分起床して、まわりで歓声が上がり御来光(667hpa・5.6℃)を拝む。再び仮眠をとり、5時48分出発。

この時間になると幾分か道もすいていて、6時43分山頂・久須志神社(3710m・5.2℃)に登頂。神社で御朱印入手拭いを購入しようとしたが、まだ納品されていないとのこと。やっていない山小屋もあり、ブル道開通の遅れで品物が遅れているのだろうか?曇りで気温も上がらず、どんどん風も強くなってきてるので、滞在せずにすぐ下山することにした。


21時42分登山開始


8合5勺で御来光


山頂・久須志神社に13回目の登頂



★体が持っていかれそうなほどの突風

7時10分下山を開始して、7時30分本8合目(3360m・672hpa・6.7℃)に到着。胸突江戸屋で朝食を食べて、再び下っていく。8合目・江戸屋を過ぎて、いつもしんどい九十九折に突入。風はどんどん強まり、口の中が砂だらけになる。中ごろ辺りでは体が飛ばされそうなほどの突風が吹き荒れ、周りにいた人たちも皆立ち止まってやり過ごしていた。少し風が弱まったので一気に下っていき、9時28分6合目・安全指導センターに到着。佐藤小屋と星観荘に焼印が新しくなってないことを確認して、河口湖口5合目に向かう。10時05分河口湖口5合目(2305m・765hpa・18.6℃)に到着して、車に乗って移動した。


山頂付近の岩場にできたつらら


下山道の脇に積もる残雪


精進口3合目から船津口を下る

車をりょうわ君に運転してもらい、私は船津口登山バスルートを調査するために、3合目バス停で下車。りょうわ君はその先にある樹海台駐車場で仮眠してもらい、私は精進口3合目へ登っていった。11時08分、精進口3合目(1785m)に到着。船津口を下っていく。道幅は広く、整備の手が入っているようで非常に歩きやすい。12時12分旧登山道との分岐点に到着。富士スバルラインに出て、りょうわ君に連絡して迎えに来てもらう。


意外と整備されている


途中で撮らえた野鳥


倒木被害のところも

河口湖口(登り)の所要時間:9時間01分
河口湖口(登り)の歩行距離:7.22km
河口湖口(登り)の移動速度:0.80m/h
河口湖口(登り)の累積標高(+):1523m

河口湖口(登り)の累積標高(-):67m

河口湖口の所要時間:12時間23分
河口湖口の歩行距離:15.32km
河口湖口の移動速度:1.24km/h
河口湖口の累積標高(+):1589m

河口湖口の累積標高(-):1589m

2日間の所要時間:20時間59分
2日間の歩行距離:33.24km
2日間の移動速度:1.58km/h
2日間の累積標高(+):3145m

2日間の累積標高(-):1688m



★13回目の富士登山を終えて

今回の登山は情報が非常に少なく、不安だらけの登山だったが、いざ登ってみるとそれなりに楽しんで登ることができた。村山口や吉田口の様に何か建物の跡や石碑があるわけでもなく、ただ草を掻き分け登っていくだけだが、昔の踏み跡を探索し、目的の場所を目指すという行動がとても新鮮に思えた。今回は1850m付近で道を見失ってしまったが、近いうちにまた調査に向かいたいと思う。



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