スバルライン口ルート
            (河口湖口ルート)
   ルート解説

◆始点・5合目(2305m)〜6合目・富士山安全指導センター(2390m)

スバルライン口5合目(2305m)富士スバルラインの終点にあり、かつての小御岳山の山頂に当たる場所です。

富士急雲上閣五合園レストハウス富士山みはらしこみたけ売店小御岳茶屋の5軒の山小屋があり、富士山の中で一番賑わいを見せて、ツアーバスなどもここに到着します。冬季でも道路状況によっては5合目まで来ることのでき、登山はできなくても観光に訪れる人も結構見かけられます。


5合目・元県営五合目管理センターがあった休憩所


5合目・五合園レストハウス


五合園レストハウス内の富士山五合目簡易郵便局


5合目・富士急雲上閣


5合目・富士山みはらし


5合目・こみたけ売店

富士山みはらしとこみたけ売店の間を通ると小御岳神社があり、ここには木花咲耶姫命の姉にあたる寿命の神の磐長姫命<いわながひめ>が祀られています。また、天狗も祀られていて、山開きの時には大天狗・小天狗が斧で鳥居の注連縄を切る神事を行い、富士山形の神輿が6合目まで巡行します。境内の中には小御岳茶屋があります。


5合目・小御岳神社


5合目・小御岳茶屋


小御岳神社境内・日本武尊社と展望台

山小屋の並ぶ一番奥に2014年に開設された山梨県富士山五合目総合管理センター(旧スカイパレス富士)があり、中には観光案内や登山客への指導、救護施設、警察や消防やレンジャーの現地連絡本部などが入っており、入山料はここで支払います。

山梨県富士山五合目総合管理センターの前にある広場には馬が待機している場所があり、7合目までなど乗って行くことができます。


山梨県富士山五合目総合管理センター


5合目で待機中のお馬さん

☆登山コース(片道)
・5合目〜泉ヶ滝:3000円
・5合目〜6合目:6000円
・5合目〜7合目:12000円
・7合目〜5合目:11000円
・獅子岩〜5合目:10000円


☆観光コース(往復)
展望台:1000円
里見平:2000円
片枝の松:3000円

コケ桃園:4000円

その先の2本の柱からスバルライン口ルートが始まります。

所々に落ちているお馬さんのフンに注意して、快適に幅の広いかつての御中道を歩いていくと、少し下り坂を下るようになり泉ヶ滝分岐点(2270m)に向かいます。この道はたまに車も通るので注意して歩いてください。泉ヶ滝はかつて道者達が水垢離をしていた場所と伝えられています。


スバルライン口登山口(2305m)


御中道


泉ヶ滝(2270m)

泉ヶ滝分岐では右に登るのが本筋(黄)で、左に下ると小御岳道(横吹)を通って吉田口5合目佐藤小屋(2220m)に向かいます(緑)

焼印を集めるなら左に下る小御岳道を通って吉田口に向かい、佐藤小屋と吉田口6合目星観荘(2240m)2軒で押してもらって安全指導センターに向かうといいでしょう。ただし遠回りした上に、コテを暖めるのに時間がかかりますので、ゆとりを持って登山計画を立ててください


泉ヶ滝を上に行くと石畳の坂道を登っていき、落石防止シェルターを超えると6合目・富士山安全指導センター(2390m)に到着します。元々この場所は砂振<すなふるい>といい、吉田大沢にあった砂走りの終点にあたる所でした。

富士山安全指導センターでは河口湖口のルートと心得の書かれた紙を配布しており、入山者に安全を呼びか
けています。


泉ヶ滝分岐点


安全指導センター手前のシェルター


6合目・富士山安全指導センター(2490m)


◆6合目・富士山安全指導センター〜7合目・東洋館(2890m)

富士山安全指導センターから少し登ると、左手に小さな石仏があります。石仏からまた少し登ると、現在は閉鎖している6合目穴小屋(2435m)に到着します。

ここはかつて御中道巡りの起点とされていました。この穴小屋の先で下山道と合流しますので、右の登山道に向かいます。

きれいに整備された道幅が広い砂礫のつづら折を50分ほど登っていくと、最後岩場に変わり7合目<旧6合5勺>花小屋(2690m)に到着します。ここまでは馬で登ることもでき、ここからは細かく7合目の山小屋が点在します。花小屋の花は鼻・端とも書き、7合目の最初の小屋という意味があったそうです。


安全指導センターの先にある石仏


6合目・穴小屋(2520m)


7合目に向かう整備された登山道


7合目・花小屋(2690m)

花小屋からは今までとは一変して、鎌岩(神満岩)と呼ばれる急な岩場地帯を登ることになります。

出発すると2〜3分ほどで
日の出館(2700m)に到着します。日の出館は江戸時代には不動尊室とも呼ばれ、下の花小屋と共に不動明王を祀られていました。

ここから5分ほど登ると
七合目トモエ館(2740m)、更に6〜7分ほどで鎌岩館(2790m)に到着します。この鎌岩館のすぐ下には7合目救護所が設置されています。


花小屋から始まる鎌岩


7合目・日の出館(2700m)


7合目・七合目トモエ館(2740m)


鎌岩を登る山伏達


7合目救護所(2785m)


7合目・鎌岩館(2790m)

右手には屏風岩を見え、鎌岩館から5分ほど登ると富士一館(2810m)、更に10分ほど登って赤い鳥居のある<旧7合目>鳥居荘(2865m)そして10分ほど登ると東洋館(2900m)に到着し、ここでようやく長かった7合目が終わります。


7合目・富士一館(2810m)


7合目・鳥居荘(2865m)


7合目・東洋館(2900m)


◆7合目・東洋館〜8合目・元祖室(3250m)

7合目・東洋館を出発して岩場を登っていき、途中に標高3000mを見て約30分で8合目<旧7合3勺>太子館(3030m)8合目救護所に到着します。太子館は馬に乗った聖徳太子がこの地に降り立ったといういわれから来ており、太子堂には馬に騎乗した聖徳太子像が安置されていたそうです。

太子館手前には、登山者数を計るアクセスカウンターが設置されており、2010年には7〜8月で18万人の登山者がここを通過しています。

ここから先は数ヶ所下山道へのバイパスもあるので、高山病や天候が悪化した時はここから下山することもできます。ただし、ブルドーザー道を通る所があり、立入禁止になっているところもあるので、通行の際には山小屋の人に一声かけてから行く方がいいでしょう。


太子館手前にあるアクセスカウンター


8合目・太子館(3030m)


鎌岩終点の8合目・蓬莱館(3075m)


亀岩

太子館から5分ほど登ると蓬莱館(3075m)に着きます。少し進むと『蓬莱亀岩 八大龍神』という石碑があり、その後ろには亀岩がどっしりと身構えています。ここからは滑りやすい砂礫の急斜を登っていきます。

30分ぐらい登ると
白雲荘(3200m)、更に10分ほど登れば<旧7合5勺>元祖室(3250m)に到着します。この元祖室では毎年干支の絵の焼印を押してもらえます。

元祖室の右側には烏帽子岩と呼ばれる大岩があり、かつて富士講行者の食行身録が断食によって入定した場所でもあります。
富士山天拝宮ではシーズン中(7月中ごろ〜8月中ごろ)に御朱印も授与することができます。


8合目・白雲荘(3200m)


8合目・元祖室(3250m)


元祖室にある烏帽子岩と烏帽子岩神社


元祖室の干支の焼印



◆8合目・元祖室〜山頂・久須志神社(3720m)

更に角度を増した砂礫の登山道を30分ほど登ると、鯉のぼりがなびいている本8合目<旧8合目>富士山ホテル(3350m)に到着します。富士山ホテルは下部・別館・上部の3棟があります。


本8合目・富士山ホテル下


本8合目・富士山ホテル(3350m)


本8合目・八合目トモエ館(3360m)

富士山ホテルの真上に八合目トモエ館胸突江戸屋(3360m)があり、ここで須走口登山道と合流し、地点を大行合<おおいきあい>と呼ばれて、これより上は奥宮の境内で神域となっています。

昔は吉田口に5軒、須走口に2軒の山小屋があり、八合目トモエ館は釈迦室とも呼ばれ、釈迦如来像汗かき地蔵などが祀られていました。

本8合目を出発して20分ほど登れば8合5勺御来光館(3450m)に着きます。ここが最後の山小屋になるので混雑時にはトイレを済ませた方がいいでしょう。


吉田口と須走口の合流点・大行合


本8合目・胸突江戸屋(3360m)


8合5勺・御来光館(3450m)

御来光館を出発して30分ほど急坂を登ると、鳥居をくぐり9合目(3560m)迎久須志神社(手引薬師)に到着します。昔はここでも焼印を押していたようです。以前は日御子と呼ばれる大きな丸く白い石がありましたが、現在はダイナマイトで吹き飛ばされて、その残骸は鳥居付近に積み上げられています。

9合目を過ぎると胸突八丁と呼ばれる岩場の急斜面に差しかかります。


9合目の鳥居、手前の白い石が日御子の名残?


9合目・迎久須志神社(3560m)


最後の難所・胸突き八丁

30分ほど登れば鳥居御橋と呼ばれる鳥居をくぐり、山頂・久須志神社(3710m)に到着します。山頂には神社の他に、4つの山小屋があります。


山頂手前の鳥居御橋(3700m)


鳥居御橋からの御来光


山頂・久須志神社(3710m)



◆下山

山頂のトイレのそばから、ブルドーザー道を30分ほど下って8合目江戸屋(3265m)に向かいます。

ここに須走口と河口湖口・吉田口との分岐の看板があるので間違えないように確認しましょう。河口湖・吉田口は江戸屋の前を通ってブルドーザー道に入ります。

この先個人差はありますが、2時間近くトイレがありませんのでここで済ましていきましょう。また、5合目まで水分を購入できないので残量に注意しましょう。


吉田口・須走口下山道への分岐


下山道入り口にある鳥居


8合目の吉田口・須走口分岐(3265m)

少し進むと延々と続くつづら折が眼下に見え、途中に非難小屋(2910m)があるだけで、トイレ(2640m)までひたすら下ります。ガスっていると先が見えなくて精神的にいやになってくる場所です。


8合目・江戸屋(3265m)


延々と続くつづら折りの下り坂


非難小屋(2910m)

この非難小屋から20分ほど下ればトイレに着きます。ここを過ぎれば長かったつづら折が終わり、獅子岩(2550m)を迎えます。

しかし、すぐに6合目に着くわけではなく、シェルターを通って20分程歩いて6合目穴小屋(2420m)に向かいます。この途中から馬に乗って下山することもできます(有料)。


7合目公衆トイレ(2640m)


獅子岩(2550m)


落石シェルター


お馬さん乗り場(2460m)


登山道と合流


6合目・穴小屋(2460m)

穴小屋からは登ってきた道を逆行して、富士山安全指導センター(2390m)泉ヶ滝分岐点(2270m)を経由し、疲れてるところに最後の登り坂を越えてスバルライン口5合目(2305m)に到着します。


6合目・富士山安全指導センター(2490m)




泉ヶ滝分岐(2270m)




スバルライン口5合目に到着(2305m)




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