◆富士山本宮浅間大社奥宮(3715m)
富士宮口ルートの終点に富士山本宮浅間大社奥宮があり、ここには木花咲耶姫(浅間大神)が主祭神として祀られています。奥宮では7月11日ごろに開山式、8月15日に例祭、8月下旬に閉山式を行い、この期間なら刻印・御朱印やお守りなど授与ができ、祈祷や結婚式まで行うことができます。また、70歳以上の人は高齢登山者記帳することができます。 |
富士山本宮浅間大社奥宮 |
奥宮の御朱印は種類が豊富 |
奥宮の間に置かれていた石碑や馬・鐘など |
奥宮の前には富士山頂郵便局があります。開設期間は7月10日から8月20日ごろまでの6:00〜14:00に営業しています。
郵便局の隣には山小屋の山頂富士館があり、宿泊・食事ができてお土産も売っています。5:00〜15:00ごろ営業しています。一般用のトイレはこの山小屋の裏手にあります。 |
富士山頂郵便局 |
山頂富士館 |
山頂富士館裏にある公衆トイレ |
◆富士山本宮浅間大社奥宮〜最高峰・剣ヶ峰(3776m)
郵便局と山頂富士館の間を通り抜けると左手に三島岳<文殊ヶ岳>が見え、その麓にいくつもの首のない地蔵があり、廃仏毀釈の跡が見受けられます。登山道の右脇には、コノシロ池<鮗池>という7月ごろに雪解け水でできる水たまりのような小さな池ができます。 |
三島岳ふもとの石造物群 |
一岳・三島岳<文殊ヶ岳> |
コノシロ池 |
左に緩くカーブをしていくと分岐点があります。左はブルドーザー道なので立ち入らないようにしましょう。分岐点を右折すると馬の背という標高差60mの砂礫の急坂が立ちはだかっています。上に登ると富士山観候所の前が分岐点になっていて、左の石段を登っていくと最高峰・剣ヶ峰(3776m)に到着します。 |
馬の背下の分岐 |
馬の背 |
剣ヶ峰・富士山観候所 |
山頂には二等三角点や『日本最高峰富士山剣ヶ峰 三七七六米』と書かれた石碑があります。この奥には鉄塔が建っていて、上の方には登れませんが下の段になら立つことが出来ます。
昔はこの鉄塔の先は外濱道と呼ばれる外輪ルートとして、親知らず子知らずという岩場を通り、大沢崩れに向かうことが出来ましたが、現在は崩落危険箇所として通行止めになっています。 |
富士山観候所の奥にある展望台 |
日本最高峰の二岳・剣ヶ峰 |
親知らず子知らず |
◆剣ヶ峰〜久須志神社(3715m)
※この先は危険箇所があるため強風や残雪などの悪天候時には行かず引き返しましょう。
※剣ヶ峰直下は時期によっては残雪が残りやすく、一歩足を滑らすと200m下の火口底まで止らないので、一般登山者の通行は止めましょう。
石段を降りて、先ほどの分岐点を左の火口棚の方に向かいます。下ると西安河原<西賽ノ河原>と呼ばれ、国立公園事務所跡の所から大沢崩れ源頭部の方に登ります。以前は直進して下っていける内輪ルートがありましたが、今は崩落の危険のため通れないそうです。 |
虎岩(獅子岩) |
西安河原と国立公園事務所跡(青) |
大沢崩れ源頭部からの影富士 |
大沢崩れ源頭部の先は尾根になっているので、強風に気をつけて歩いていきましょう。大沢崩れを過ぎると外輪ルート<外濱道>と内輪ルート<内濱道>の分岐があり、昔は外輪ルートを通ることが出来ましたが、現在はここも危険箇所のため通行止めになっています。
外輪ルートは、雷岩<雷ヶ岳>を経由して釈迦の割石の間を通り、白山岳に向かうルートでした。 |
外濱道(青)と内濱道(赤)の分岐 |
旧三岳・雷岩<雷ヶ岳> |
大沢崩れ源頭部からの釈迦の割石 |
尾根から降りていくと正面に小内院という小さな火口があります。小内院の右側の淵を歩いていくと分岐があります。
左に進むと白山岳の麓沿いに進み、右側に下っていくと金明水の石碑があります。ここは古くから雪解け水が溶岩を伝い、山頂で貴重な水を汲むことができ、信仰の対象となって祀られています。
この辺りの平らな土地で、以前はよく石文字が見られましたが、この行為は国立公園法により罰せられるので絶対にしないで下さい。金明水の先で急坂を登ると、先ほど分かれた道と合流します。 |
小内院 |
金明水 |
石文字は法律で罰せられます! |
合流した所にロープが張ってあり、その先には白山岳<釈迦ヶ岳>への踏み跡があります。ここには立ち入り禁止の標識はありませんが、釈迦の割石〜大沢崩れ分岐間は通行禁止なので、そのためのロープだと思います。白山岳の山頂には鳥居と二等三角点があります。 |
三岳(旧四岳)・白山岳<釈迦ヶ岳> |
日本2番目の標高の三角点 |
白山岳から見た釈迦の割石 |
白山岳からの大パノラマ、中央の高い所が剣ヶ峰(画像クリックで拡大) |
白山岳の麓の分岐から先に進むと、ルートの右手に久須志岳<薬師ヶ岳>があります。主に踏み跡みたいのはないので、適当な所で上に登ると小さな鳥居と石碑『全日本山岳リレー縦走』があります。
久須志岳の麓には、河口湖口や須走口の終点である久須志神社があります。久須志神社は富士山本宮浅間大社の末社、正式には富士山本宮浅間大社東北奥宮というそうで、主祭神として大名牟遅命・少彦名命が祀られています。浅間大社奥宮同様に刻印・御朱印やお守りなど授与を行っています。 |
四岳(旧六岳)・久須志岳<薬師ヶ岳> |
東北奥宮・久須志神社 |
山口屋支店 |
久須志神社の隣には、山口屋支店・扇屋・東京屋・山口屋本店の4つの山小屋が並んでいます。御来光前後の時間帯は溢れんばかりの人だかりになります。ここには自動販売機まで設置されています。トイレは山口屋の先、河口湖口・須走口下山道の手前にあります。 |
扇屋 |
東京屋 |
山口屋本店 |
◆久須志神社〜富士山本宮浅間大社奥宮
山口屋本館の先が分岐点があり、左に行くとと河口湖口・須走口下山道を下っていきます(黄)。お鉢廻りは標石『須走口下山道』(青丸)を巻いて登ります。
この標石を大内院に向かうと、影拝所(初打場所・初穂打場)と呼ばれていた拝所です。登っていくと中腹で道が分かれ、左に進むと御中道で、まっすぐ登っていくと成就ヶ岳<大日岳>に着きます。 |
下山道との分岐 |
影拝所から大内院を眺める人たち |
五岳・成就ヶ岳<大日岳> |
分岐から朝日岳の中腹を進むと、正面に伊豆ヶ岳<観音岳>があり、頂上には天之御柱が立っています。ここは北側は約3mの垂直の壁、南側は狭く鋸の刃ような岩場なので、一般登山者や辺りに人がいる時は登るのは控えたほうがいいでしょう。 |
六岳(旧七岳)・伊豆ヶ岳<観音岳> |
北側の3mほどの垂直の壁 |
伊豆ヶ岳には『天之御柱』がある |
伊豆ヶ岳の外側を進むと、荒巻という場所に出ます。吹く風が強く、危険な箇所のひとつで、その昔道者18人が吹き飛ばされて死亡した場所とも言われています。
荒巻の先で道は分かれて、本筋は左に迂回する道で、直進の朝日ヶ岳<勢至ヶ岳>に向かう道にはロープが張ってあります。 |
伊豆ヶ岳の外側を進む |
荒巻からみた伊豆ヶ岳 |
強風時は注意の荒巻 |
頂上でまず目に付くのは、街でも見かける世界平和を祈る標柱があり、その先に石で組まれた山が見えます。この石山の中には、持国天王や七面大明神などが書かれた木板が埋め込まれています。
成就が岳の南側には東安河原<東賽ノ河原>という広場があり、御来光ポイントの一つです。ここにはNTT富士山頂分室があり、そのそばには富士無線中継記念碑と、富士山で殉職した栗山國男さんの殉難碑があります。 |
七岳・朝日ヶ岳<勢至ヶ岳> |
東安河原<東賽ノ河原> |
NTT富士山頂分室 |
鉄柵沿いに下りていくと、銀明水に到着します。ここは御殿場口(旧須山口)の頂上であり、山頂銀明館(休館中?)があります。 |
無線通信記念碑と殉難碑 |
山頂銀明館 |
御殿場口山頂にある銀明水 |
右の方に向かい、登っていくと左手に駒ケ岳があり、中腹には銅馬舎があり銅製の馬が安置されていました。現在、奥宮の前に置いてあるのがそうだと思います。道は、道馬舎の手前で折れ曲がり登ると、浅間大社奥宮に戻ってくることが出来ます。 |
御鉢廻りは石碑の右、御殿場口へは左へ |
道は道馬舎(黄)の手前で折れ曲がる |
浅間ヶ岳中腹にある道馬舎 |
八岳・駒ヶ岳 |
浅間ヶ岳 |
一周して奥宮に戻る |
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地名
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昔の名称
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標高
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由来する神仏
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0
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大内院
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3535m
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大日如来
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火口 |
1
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浅間大社・奥宮
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大日堂
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3715m
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木花咲耶姫
(大日如来)
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富士宮口(村山口)
表大日 |
2
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三島岳
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文殊ヶ岳
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3740m
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地蔵菩薩
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一岳 |
3
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馬の背
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4
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剣ヶ峰
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3775.63m
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阿弥陀如来
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二岳 |
5
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大沢崩れ源頭部
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3740m
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6
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西安河原
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7
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小内院
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3680m
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8
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雷ヶ岳(雷岩)
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3730m
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大悲観音菩薩?
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(三岳?)ここが三岳の資料有 |
9
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白山岳
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釈迦ヶ岳
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3756.4m
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釈迦牟尼如来
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三岳・(四岳) |
10
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金明水
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11
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?
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?
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弥勒菩薩
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(五岳)
江戸〜明治の資料に白山岳と久須志岳の間に五岳あり。 |
12
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久須志岳
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薬師ヶ岳
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3730m
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薬師如来
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四岳(六岳) |
13
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久須志神社
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薬師堂
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3715m
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大名牟遅命・少彦名命
(薬師如来)
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河口湖口・須走口(吉田口)
東北奥宮 裏薬師 |
14
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成就ヶ岳
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大日岳
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3734m
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大日如来
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五岳
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15
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伊豆ヶ岳
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観音岳・阿弥陀岳
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3749m
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観世音大菩薩?
文殊菩薩?
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六岳(七岳) |
16
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荒巻
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勢至ヶ窪
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17
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朝日ヶ岳
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勢至ヶ岳・経ヶ岳
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3733m
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勢至菩薩?
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七岳 |
18
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東安河原
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東賽ノ河原
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19
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銀明水
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御殿場口(須山口) |
20
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駒ケ岳
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3720m
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宝生(寳勝)如来
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八岳 |
21
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浅間ヶ岳
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※昔の名称や神仏名などは地域や資料によって変わります。
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