富士講の足跡を辿る・日本橋からの富士山道

    谷村路@ 大月宿〜谷村宿

◆大月宿(361m)〜落合橋(404m) 4.59km
ルートMAP

大月宿本陣から120mほど歩くと富士急行大月線の上を渡り、その先に大月橋東詰交差点(95.54km地点)があります。ここが甲州道中と富士山道である谷村路との分岐点の大月追分です。交差点の向かい側には道標常夜灯の 石造物群があり、ここで初めて『富士山道』や『ふじミち』等と道標に刻まれており、より一層富士山に近づいたと実感します。

現在の甲州街道は直進をして大 月橋を渡るようになっていますが、かつての甲州道中は右に曲がり川を渡って迂回をしていました。この少し先を進むと24里目の下花咲一里塚跡があります。


大月追分を左折して谷村路に入る


大月追分の石造物群


甲州道中の24里目・下花咲一里塚跡

大月追分を左に曲がり、国道139号の谷村路(現在の通称は『富士みち』)に入っていきます。大月バイパスを渡り、富士急行と平行して進んでいくと区民公園があり(確認はできませんでした)、ここには江戸時代の刑場跡があったと伝えられています。左手に14基の馬頭観世音群(96.10km地点)があります。ここには大月関所があったといわれています。

右に大きくカーブをして、続いて左に緩やかにカーブをしていくと右側に三島神社(96.67km地点)があり、不動明王馬頭観世音群などがあります。


大月関所跡の馬頭観世音群


並行して走る富士急行大月線


三島神社

三島神社を過ぎると道は1kmほどの直線となり、また緩やかに左に曲がって直進していくと田野倉集落に入り、田野倉駅前(379m・97.99km地点)に到着します。田野倉駅を過ぎると左手に田野倉供養塔群(98.08km地点)があります。5分ほど歩くと甘酒橋の手前に石造物群(98.53km地点)があり、橋を渡った先のタンポポなどが咲き乱れる空き地の中にも廿三夜塔などの石碑(98.60km地点)がありました。


富士急行・田野倉駅入口


田野倉の供養塔群


甘酒橋際の石造物群

大原橋東交差点を過ぎると右手に3基の経塚供養塔群(99.25km地点)があります。この先で右にカーブしていくと正面にリニアモーターカーの実験路線の高架橋(99.77km地点)が見えてきます。手前の大原橋東交差点から入ってしばらくいくとリニア見学センターがあるので、興味のある人は立ち寄ってもいいかもしれません。

この高架橋のところから右に曲がり朝日川沿いに歩くのが本来の道筋で、途中に九鬼の牛馬供養塔があるそうです(未確認)。高架橋のすぐ先の富士急行の高架橋をくぐり、200m程進むと朝日川の落合橋(404m・100.00km地点)に到着します。ここでついに日本橋から100km歩いたことになります。


タンポポ咲く野の廿三夜塔


経塚の供養塔群


リニアモーターカーの実験路線


◆落合橋(404m)〜赤坂集落(441m) 2.31km
ルートMAP

落合橋を左折するのが道筋ですが、この先通行できない場合があります。それは朝日橋に架かる木の仮橋が無くなっている場合があります(実際に私が行ったときには無くなっていました)。

6月末に(財)ふじよしだ観光振興サービスの『富士道あんぎゃ』というツアーがあるので、もしかしたらその時に架けられるかもしれませんが、橋がないときは固定堰の所を徒歩渡しする方法もありますが、確実に足元が濡れてしまうので直進して迂回することもできます。迂回するときはそのまま国道139号を直進して、古川渡交差点を左折して伊倉バイパスに入ります。橋を渡ってすぐを右折すれば谷村路に戻ります。


朝日川・落合橋


落合送水橋


仮橋のあった場所

話を戻して、本筋の谷村路は落合橋の手前を左折して川沿いに進んでいきます。正面にレンガ造りの落合送水橋(100.10km地点)があるので、くぐると道は民家の手前で左に曲がっていきますが、ここで右手の川原に降ります。

設置してあれば、降りた正面の岩に仮橋を渡る事ができますが、なければ左手にある固定堰を徒歩渡しすることができます。川底がそれなりに深く、固定堰だけが足元を濡らす程度で歩くことができますが、藻が生えていて滑りやすい事と時期によっては川の流れが速いので気をつけてください。


朝日川の固定堰


北回りに土手沿いを進んで公道にあがる


川沿いに並ぶ石祠・本筋は川沿い?

川を渡ったら、右に曲がって土手沿いを反時計回りに回ります。すると上に登る坂道があるので公道に出ます。公道に出たら右に曲がり川沿いに進んでいくと、下の川原沿いに5基の石祠(100.41km地点)が並んでいます。ここから6分ほど進むと県道35号の手前に地蔵堂の石造物群(100.90km地点)があります。

県道を横断して80m進むと名号塔(421m・101.01km地点)があります。この名号塔の台石には道標が刻まれており、富士山との分岐としても設置されています。道標に従ってここのT字路を右に曲がり、宮川上橋を渡って左にカーブしていきます。緩い登り坂の途中にアメヤ坂の道標、そのすぐ先に南無観世音菩薩の石碑があります。


地蔵堂の石造物群


宮川上橋の名号塔


富士道アメヤ坂の道標

右に緩くカーブしていくと右手に熊野神社(101.51km地点)があり、中島の道祖神名号塔などの石碑があります。熊野神社から70mほど歩くと、国道139号に戻ります(101.58km地点)。しばらく国道を歩いていくと右手に鎮魂碑らしき壊れた石碑(101.89km地点)があり、そこから2分ほどのところに日蓮宗御題目の石碑(101.98km地点)があります。

更に3分ほど歩くと生出神社(102.17km地点)があり、この中には道祖神石灯篭があります。神社から2分ほど進むと、右手に四日市場の常夜塔勢至尊の石碑(441m・102.31km地点)が並んでいます。常夜塔の台石には『左ふじみち』の刻銘があり、道標を兼ねていました。


熊野神社と中島の道祖神


生出神社


四日市場の常夜塔


◆赤坂集落(441m)〜谷村宿(482m) 2.50km
ルートMAP

常夜塔の所で左折して小道に入っていきます。小道はすぐに右折し、小川が並行する砂利道に入っていきます。砂利道の出口付近の木の下には四日市場の石造物群(102.50km地点)があります。本来は小川沿いに進むのですが、公道の先はホームセンターがあって進むことができないので、右折して国道139号に戻り、赤坂交差点(102.60km地点)を左折、次の四日市場交差点(102.75km地点)を左折して県道711号に入ります。小川を渡った角にある三吉入口バス停の所を右に曲がって入っていきます。


四日市場常夜塔の前を左折


四日市場石造物群の先を右折


四日市場交差点を左折

小川沿いに2体の地蔵があり、すぐその先に稲荷神社に登る石段と山梨大神の祠(458m・102.90km地点)があります。谷村路はその間の土の坂道から入って行きます。坂道を登っていくとたくさんの馬頭観世音がある瀬中石造物群(102.98km地点)が左手にあります。


バス停の角を右折


稲荷神社と山梨大神の間の谷村路入口


瀬中の石造物群

瀬中石造物群の前の分岐は左上に登っていきます。少し進むと石垣の上に深田の廿三夜塔(103.15km地点)があり、左手の畑を過ぎると未舗装路は終わり、十字路に出るので左に曲がります。


瀬中石造物群の前を左上に


深田の廿三夜塔


未舗装路終点の交差点を左折

十字路を曲がるとすぐに深泉院(103.26km地点)があり、その石垣のところには馬頭観世音がたくさん並んでいます。深泉院前の分岐の所に深田の標識があり、ここを右の方に行くと谷村発電所があります。発電所前の分岐を右に曲がり、桂川神社(103.44km地点)の東側に出ます。


深泉院前の馬頭観世音群


深泉院前を右に


谷村発電所の前の分岐を右に

道は右折して桂川神社の北側を回っていくようになっていますが、谷村路の道筋は垣根を発電所の塀沿いの隙間から通り抜け、桂川神社の正面を通って西側を進みます(本来の道筋は小川沿いに進むのかも知れません)。神社の北西のT字路を左折、次のT字路を右折すると国道139号に戻りますので左に曲がります。

150mほど進むと信号のある右斜の小道に入ります。入ってすぐ左の小川の向こうに石柱に彫られた六地蔵(?)があります。小道に入って160m進むと始めの十字路があり、ここを左に曲がって国道139号に戻ります。


桂川神社


右斜の小道に入る


始めの十字路を左折

中央1丁目交差点(104.13km地点)を左折、御嶽神社の鳥居の前(104.35km地点)を右カーブして枡形に国道139号を進みます。市役所入口交差点(482m・104.81km地点)があり、ここを右に入っていった甲府地方裁判所谷村支部の所に谷村陣屋跡がありました。


中央1丁目交差点を左折


御嶽神社の鳥居の前を道なりに右折


甲府地裁前の谷村陣屋跡


8.谷村宿〜上吉田宿



inserted by FC2 system